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ISDN(INSネット)終了はいつ?2028年までの影響と代替サービスをわかりやすく解説

ISDN回線のデータ通信は、2024年に終了しましたが、電話を含めた全ての利用が、2028年12月31日には終了します。この記事では、ISDN回線終了の概要から、自社に影響があるかの調べ方、移行先の選び方までを順に整理します。

目次

ISDN(INSネット)とは?

まずはISDNについて解説します。

ISDNは電話回線をデジタル化した通信サービス

ISDNは Integrated Services Digital Network の略で、日本語では「サービス総合ディジタル網」と呼ばれます。電話局と会社をつないでいる既存の電話線(銅線)をそのまま使いながら、その上を流れる信号をアナログからデジタルに変えた通信サービスのことを言います。

新しく光ファイバーを引く必要がないため、光回線が普及する前はいまある電話線のまま、速くて安定したデータ通信ができる手段として広く使われました。1回線の契約で電話2回線分を同時に使えるのも特徴で、電話をしながらFAXを送る、といった使い方ができます。

「ISDN」と「INSネット」の違い

この2つは、ほぼ同じものを指しています。

ISDNは通信方式そのものの名前(一般名称)で、INSネットはNTT東日本・NTT西日本が提供しているISDNサービスの商品名です。具体的には次の3種類があります。

  • INSネット64 … 電話2回線分。中小企業や店舗でもっとも多く使われているタイプ
  • INSネット64・ライト … INSネット64の料金体系違い(加入時の施設設置負担金が不要な代わりに、月額料金が高いプラン)
  • INSネット1500 … 電話23回線分。PBX(構内交換機)と組み合わせて使う大規模向け

つまり、契約内容に「INSネット64」とあれば、それはISDNを使っているということです。

ISDNには通話モードとディジタル通信モードの2種類が存在

ISDNには「通話モード」と「ディジタル通信モード」という2つの使い方があり、終了する時期がそれぞれ違います。

モード主な用途状況
通話モード音声通話、G3規格のFAX、モデム通信2028年12月31日まで使える
ディジタル通信モードG4規格のFAX、デジタルデータ通信(EDI・POS・警備システムなど)2024年1月から地域ごとに順次終了済み

NTTの料金明細でも、この2つは「INS通話料」(通話モード)と「INS通信料」(ディジタル通信モード)に分かれています。同じ1本の回線でも、電話として使うか、機器のデータ通信として使うかで別物として扱われている、と考えてください。

ISDN・アナログ回線・ADSL・光回線の違い【比較表】

自社がどれに当てはまるかを判断しやすいように、4つの回線を並べて整理します。

回線の種類使う線電話の同時利用データ通信いまの提供状況
アナログ回線(加入電話)電話線(銅線)1回線につき1通話遅い(モデム経由)提供中。ただしNTTはメタル設備を2035年頃までに光・モバイルへ移行する方針
ISDN回線電話線(銅線)2通話同時(Bチャネル2本)64kbps(デジタル)2028年12月31日で終了
ADSL回線電話線(銅線)電話と併用ISDNより高速終了済み
光回線光ファイバーひかり電話で複数同時通話高速提供中。ISDNからの主な移行先

ISDNは電話線のまま使えて、アナログ回線より速く、電話も2回線ぶん使えるという点で長く重宝されてきました。ただ、光回線が当たり前になったいま、速度面での優位はありません。ISDNは2028年に終了します。さらにNTTは、メタル回線(銅線)を使う加入電話についても、2035年度頃までに光回線やモバイルへ段階的に移行する方針を示しており、今後は光回線が主流となっていきます。

今の流れを整理

今の流れを整理するとこのような形になります。

時期終了するもの何が使えなくなるか
2024年1月INSネットのディジタル通信モードG4FAX、EDI、POSなどのデータ通信
2028年12月31日INSネット(ISDN回線そのもの)電話を含むすべての利用
2030年3月31日ソフトバンク「おとくライン」ISDN64・ISDN1500を含む全サービス
2035年度頃(方針)メタル回線の加入電話(光・モバイルへ段階的に移行)地域ごとの計画を2028年度頃から順次公表予定

自社に残っている期限は、契約している回線がどれかで変わります。NTT東西のINSネットなら2028年12月31日、ソフトバンクのおとくラインなら2030年3月31日が期限です。

2024年1月にディジタル通信モードが終了

NTT東西は2024年に固定電話の設備をIP網へ切り替え、これに合わせてINSネットのディジタル通信モードを順次終了しました。

終了後も既存のISDN対応機器を使えるように、NTTは「切替後のINSネット上のデータ通信(補完策)」を提供しています。ただしこれは従来と同じ品質ではありません。NTTは「伝送遅延が生じ処理時間が増大する等、利用する機器によっては通信に影響」があると明記しています。

この補完策も、2028年12月31日にINSネットと同時に終了します。

2028年12月31日にINSネットが全面終了

2028年12月31日は、モード単位ではなくINSネットというサービス自体の終了です。対象はINSネット64、INSネット64・ライト、INSネット1500の3つと、補完策を含みます。2024年に残った通話モードも、この日で使えなくなります。

新規の申し込みは2024年8月31日ですでに受付を終了しています。休止した電話加入権を使ってINS回線を復活させる手続きも、同じ日に終わっています。

ソフトバンク「おとくライン」は2030年3月31日まで

NTT東日本とNTT西日本は共同で発表しているため、対象サービス・受付終了日・提供終了日はすべて同じです。

注意が必要なのはソフトバンクの「おとくライン」です。おとくラインにも「おとくライン ISDN64」「おとくライン ISDN1500」があり、こちらの提供終了は2030年3月31日です。新規受付は2026年3月31日で終了しています。NTTより1年3か月ほど期限が後になるため注意してください。

出典: ソフトバンク 2025年10月30日「おとくラインのサービス提供終了について」 https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2025/20251030_01/

ISDN回線が終了する理由

NTT東西が公式に挙げている理由は「設備部材の枯渇」と「利用者の減少」の2つです。その背景には、固定電話網そのものをIP化するという国全体の流れがあります。

①交換機や設備が老朽化して維持不可能に

NTTが固定電話の仕組みをネット回線(IP網)へ切り替えた最大の理由は、「設備の老朽化」です。

ISDNなどの固定電話は、電話局に設置された交換機という機械で支えられています。しかし、機器が古くなるほどメンテナンスの手間やコストがかさむようになり、お金の面でも技術の面でも維持し続けるのが難しくなっていました。

②利用者が大幅に減少

INSネットの回線数は、ピークだった2001年度末に1,115万回線ありました。それが2022年度末には143万回線まで減っています。

時点INSネット回線数
2001年度末(ピーク)1,115.0万回線
2022年度末143万回線

※ NTT東西の公表値。

光回線とインターネットが当たり前になり、ISDNを選ぶ理由がなくなったことが背景です。減り続ける利用者のために、老朽化した設備を維持し続けることは現実的ではありません。

【要チェック】自社がISDNを使っているか調べる方法

自社がISDNを使っているかを確かめる方法は3つあります。確実なのはNTTへの問い合わせですが、その前に手元で確認できることもあります。

請求書・契約内容で確認する

NTTの請求内訳に「INS通話料」「INS通信料」という項目があれば、INSネットを契約しています。このうち「INS通信料」は、2024年に終了したディジタル通信モードの通信料です。

Webで確認する場合、NTT東日本は個人向けの「マイページ」、法人向けの「法人のお客さまマイページ」で契約内容を確認できます。NTT西日本にも個人向け「マイページ」と法人向け「ビジネスマイページ」があります。

NTTに問い合わせて確認する

確実なのはNTTに直接聞くことです。契約内容の確認は局番なしの116、INSネットの終了については専用の窓口も用意されています。

詳細:https://flets.com/2028ins/contact.html

影響を受けやすい機器・システムのチェックリスト

NTT東日本は、ディジタル通信モードの主な用途として次を挙げています。自社に当てはまるものがないか確認してください。

  • POS(販売情報管理システム)
  • クレジットカードの決済端末
  • 警備システム
  • EB(電子バンキング)
  • EDI(電子商取引・受発注)
  • ビル管理(エレベーター監視)など

機種・契約・配線を見ないと判断できないため、心当たりがある機器については、保守会社やメーカーにISDNを使っているか確認するのが確実です。

ISDNの終了による業務への影響は?

2028年12月31日以降、INSネットに接続している電話・FAX・機器はすべて使えなくなります。影響の出方を用途ごとに整理します。

固定電話番号が引き継げない場合がある

INSネットからひかり電話などに切り替える場合、番号ポータビリティ(今の番号を引き継ぐ手続き)を使えば、今の電話番号をそのまま使い続けられます。

ただし、どんな場合でも引き継げるわけではありません。移転先が今と違う番号区画(市外局番が同じ範囲)になる場合は、基本的に引き継げません。元の番号区画に拠点を残したまま、遠方の社員が会社の番号を使うことは、クラウドPBXなどで可能です。また、同じ番号区画の中でも、設備の都合で引き継げない例外があります。移転を伴う場合は、事前にNTTへ確認してください。

G4規格のFAXは使えなくなる

G4規格のFAXは、ディジタル通信モードを使って送受信する方式です。2024年以降は補完策で使い続けられましたが、補完策も2028年12月31日で終わるため、G4での送受信はできなくなります。移行先として案内されているひかり電話オフィスタイプも、G4には対応していません。

G4とG3の両方に対応した機種であれば、G3モードに切り替えて使える場合があります。ただしG3は、A4 1枚の送信にG4の約3秒に対して30〜60秒かかり、解像度も下がります。機種や相手の機器によってはG3でも使えないことがあるため、メーカーか保守会社に確認してください。G4にしか対応していない機種は、買い替えが必要です。

POSレジ・CAT端末・警備や遠隔監視のシステム

POSレジやクレジットカードの信用照会端末がINSネットで通信している場合も、2028年12月31日以降は使えなくなります。NTTは、カード会社や決済ネットワークの事業者に相談し、インターネットなどへ移行するよう案内しています。回線だけでなく、端末やPOSレジそのものの交換が必要になる場合もあります。

警備システムやエレベーターの遠隔監視も同じです。INSネットのままでは使えなくなりますが、今の機器を別の回線につなぎ替えて使い続けられるかは、機器によって異なります。警備会社やビル設備の保守会社に確認してください。

ISDNの代替サービス3つを比較

ISDNの移行先は、何にISDNを使っているかで変わります。電話なら光回線+ひかり電話かクラウドPBX、光回線を引けない場所ならワイヤレス固定電話が候補です。

光回線+ひかり電話

NTTがフレッツ光の提供エリアで案内している移行先です。フレッツ光(光回線)を引き、そこに電話サービスのひかり電話を付けます。前の章のとおり、今の電話番号は番号ポータビリティで引き継げます。

プラン月額基本料(税込)基本の構成最大
ひかり電話(基本プラン)550円――
ひかり電話オフィスタイプ1,430円3チャネル・1番号8チャネル・32番号
ひかり電話オフィスA(エース)1,210円1チャネル・1番号(2チャネルなら2,310円)300チャネル・7,000番号

※ NTT東日本の料金。フレッツ光の料金、対応機器の料金、通話料は別にかかります。

2026年3月1日から、NTT東西はINSネットからフレッツ光+ひかり電話に移る場合の契約料と対象の工事費を無料にしています。INSネットを解約または休止することが条件で、1契約につき1回までです。休止の工事費や夜間の割増料金などは対象外になる場合があり、終了時期は決まっていません。

クラウドPBX

電話交換機(PBX)をクラウド上に置き、スマホやPCのアプリ、IP電話機で会社の番号を使って電話をかけたり受けたりするサービスです。事務所に主装置を置かないので、ビジネスフォンのリースや保守契約がなくなり、拠点をまたいだ内線や、外出先からの会社番号での発着信ができます。

INSネットにつないでいるPBXをひかり電話につなげない場合や、リースの満了が近い場合は、PBXごとクラウドに移すのも選択肢になります。

契約前に確認したいのは、今の03や06の番号をそのまま使えるかどうかです。事業者やプランによって、既存の番号を引き継げるもの、050番号になるもの、別に光電話の回線が必要になるものがあります。最低利用期間や違約金も事業者ごとに違います。

なお、クラウドPBXは電話のためのサービスです。EDIやPOSなどのデータ通信の代わりにはなりません。

ワイヤレス固定電話、モバイル回線関連(光回線を引けない場合)

フレッツ光が提供されていない場所向けに、NTTは加入電話(アナログ回線)、ワイヤレス固定電話、モバイルサービスを案内しています。

加入電話に戻す場合、今の番号は引き継げます。ただし加入電話は1回線で1通話なので、INSネット64と同じく2通話を同時に使うには、原則として2回線が必要です。なお加入電話も、2035年度頃までに光・モバイルへ移行する方針が示されているため、今から加入電話に戻すのはあまりおすすめしません。

ワイヤレス固定電話は、電話線の代わりに無線で接続する固定電話サービスで、光回線の提供が難しい場所などで、電波や設備の状況を確認したうえで提供されます。

【比較表】費用・開通までの期間・向いているケース

移行先月額の目安開通までの目安向いているケース
光回線+ひかり電話フレッツ光+550円〜(オフィスタイプ1,430円)約2週間〜1か月以上(新規で光回線を引く場合)今の電話機・PBXを活かしたい。まずは電話を確実に残したい
クラウドPBX事業者による事業者によるビジネスフォンの入れ替え時期が近い。拠点や外出先でも会社番号を使いたい
ワイヤレス固定電話機器・事業者による機器・事業者による光回線を引けない場所への代替の選択肢

まとめ

ISDN(INSネット)は、2024年1月にディジタル通信モードが終わり、残る通話モードも、2028年12月31日にINSネットそのものとともに終了します。ソフトバンクのおとくラインは、2030年3月31日が期限です。

以下をチェックポイントとして押さえておきましょう。

  • 請求書の「INS通話料」「INS通信料」があるかを確認する、NTTへの問い合わせで、ISDNを使っているかを確認する
  • 電話・FAXだけでなく、EDI、POSレジ、CAT端末、警備システム、エレベーターの遠隔監視などがISDNで通信していないかを、導入した会社や保守会社に確認する
  • 用途に合わせて移行先を選ぶ。電話なら光回線+ひかり電話かクラウドPBX、光回線を引けない場所ならモバイル回線やワイヤレス固定電話を検討する

電話番号は番号ポータビリティで引き継げますが、G4規格のFAXやEDIのように、機器や取引先の対応が必要なものもあります。取引先や保守会社との調整には時間がかかるため、早めに確認を始めるのが良いでしょう。

より多くの方に役立てる記事を発信して参りますので、ぜひ拡散いただけると幸いです。
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この記事を書いた人

IT・通信業界の会社で、編集者の仕事をしています。
より多くの企業様に、後悔のしない、満足のいくサービス・情報を届けられるように執筆を心がけております。

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