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【2026年版】固定電話(加入電話)を解約した際の移行手段は?最新動向を踏まえて解説

固定電話(加入電話)の電話機

2026年4月から、NTT東西の加入電話の使用料が上がりました。事務用で月330円、住宅用で月220円。基本料の改定はおよそ30年ぶりです。さらにNTTは、メタル回線(銅線)を2035年までに廃止する方針としており、光モバイル網への移行を促しています。

こうした流れを受けて、固定電話を解約し、光電話やクラウドPBXなど、別のサービスへ乗り換える企業が増えています。ただ、なんとなく勧められるまま契約すると、自社には必要のない機能に毎月お金を払い続けることになりかねません。

本記事では、いまの固定電話に何が起きているのかという現状から、解約するときに確認すべき点、そして移行先の選択肢までをお伝えします。固定電話を解約して新しい電話サービスへ移りたいとお考えの企業の方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

1.今現在の状況

今現状の状況を整理します。「固定電話がなくなる」という話は数年前から出ていますが、固定電話機自体は今後も使えます。終わるのは固定電話サービス(加入電話やISDN)の方になります。ここまでの流れとこれからの動向を見ると次のような形になります。

固定電話終了までの時系列:2024年1月IP網へ移行(完了)、2028年12月ISDN(INSネット)提供終了、2035年頃メタル回線廃止・加入電話終了

ではそれぞれの詳細について説明していきます。

2024年1月:固定電話の中身がIP網に変更(すでに完了済み)

まずNTT東西は2024年1月1日以降、固定電話(加入電話・INSネット)を収容している局内の交換設備を、従来の電話網からIP網へ地域ごとに切り替え、すでに完了しています。

利用者から見ると、この切り替えで電話機の交換や宅内の工事は不要でした。番号も基本料もそのまま。なので気づいたら終わっていたという会社がほとんどだと思います。

変わったのは主に次の3点です。

  • 通話料が全国一律になった(それまでの距離別料金が廃止)
  • マイラインと各種割引サービスが終了した
  • INSネットの「ディジタル通信モード」が終了した

3つ目のディジタル通信モードは、古いFAXやEDI、POS、警備システムなどのデータ通信に使われてきた機能で、ここが終わった時点で電話としては使えるが、機器のデータ通信は保証されない状態になりました。

参考: NTT東日本「固定電話(加入電話・INSネット)のIP網移行」 https://flets.com/2024ikou/

2028年12月:INSネット(ISDN)の提供終了

NTTのINSネット64、INSネット64・ライト、INSネット1500は、2028年12月31日でサービス提供そのものが終了します。新規申込はすでに2024年8月31日で締め切られています。理由は2029年以降、サービス提供に必要な設備保守が困難になるためとしています。2024年のディジタル通信モードは終了しましたが、2028年にはISDN回線自体が終了し、ISDNを使用している通話も使えなくなります。

つまり、ISDN回線を使用している会社は、遅くとも2028年までには代替手段へ移す必要があります。電話だけの利用なら焦る必要はありませんが、「うちのFAXは何につながっているのか」「警備会社の端末は何回線を使っているのか」は、この機会に一度確認しておくべきです。

参考: NTT東日本 2024年3月7日「INSネットの新規申込受付・提供終了について」 https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20240307_02.html

2035年頃:メタル回線を使用している加入電話が完全終了

そしてNTT東西は2025年9月29日、メタル設備(銅線)を使った加入電話について、「利用の減少や老朽化した設備の維持限界を踏まえ、2035年頃までに、光回線/モバイル回線を用いたサービスへの移行を段階的に実施する」と公表しました。

移行先としてNTTが用意しているのは、光回線電話、ワイヤレス固定電話、ひかり電話の3つ(いずれもIP電話)。代替サービスへの移行に要する初期費用は無料とされています(条件あり)。

ここで押さえておきたいのは、2035年まで何もしなくていい、という意味ではないことです。先行エリアが順次公表されているため(2026年9月時点)該当する地域は、回線を切り替える準備をする必要があります。ただし、対象になった会社にはNTTから複数回に渡り案内が届くとされています。

出典: NTT東西 2025年9月29日「今後の固定電話サービスについて」 https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20250929_01.html

2.解約時の注意点

固定電話の解約そのものは、NTTに連絡すれば終わりますが、難しいのは解約の手続きではなく、その前後です。順番を間違えると電話番号を失い、確認を怠ると電話以外のサービスが止まります。ここでは、解約の前に押さえておくべきことを4つに分けて説明します。

固定電話を解約する前に確認する4つのこと:①電話番号の移行、②やめ方の整理、③違約金の確認、④回線の用途確認

①電話番号を残すなら移行が必要

加入電話を先に解約すると、その電話番号は消えます。電話番号を継続して使いたい方は解約の前に移行手続きを必ず進めておきましょう。NTT東日本の解約案内にも、解約すると加入権は契約解除となり再利用できない、と明記されています。

番号を残したい場合は、番号ポータビリティを使って移行先のサービス(ひかり電話、他社の光電話、クラウドPBXなど)に番号を移してから、加入電話を休止または解約する、という順番になります。移行先の申し込みをすれば加入電話側が自動で休止になるわけではなく、休止・解約の手続きは自分で行う必要があります。

それまではNTT東西が払い出した番号しか他社へ移せませんでしたが、2026年現在はひかり電話や他社で取得した0AB-J番号(03や06で始まる番号)も、番号を維持したまま事業者を変えられます(双方向番号ポータビリティ)。

参考: NTT東日本「電話の休止・解約」 https://flets.com/support/denwa/line_cancel/

②NTTの加入電話のやめ方を整理しておく

そもそも、NTTの加入電話にはやめ方が3種類あります。解約と利用休止、一時中断、それぞれを整理しておきましょう。

工事費期間中の回線使用料加入権再開時の番号
1.解約不要消滅再開不可
2.利用休止3,300円〜無料保持(最長10年)変わる
3.一時中断3,300円〜かかる保持同じ番号

解約時には電話加入権は消滅します。残念ながら、返金されることはありません。
利用休止は5年間の預かりで、申し出がなければ5年延長され、10年で自動的に解約扱いになります。工事費も3,300円からかかってきます。

③違約金を確認しておく

加入電話そのものは、解約に工事費がかかりません。契約期間の縛りで違約金が発生するのも、加入電話ではなく周りの契約です。解約前に、次のものが残っていないか確認してください。

  • ビジネスフォン主装置や電話機のリース契約(残債・残リース料)
  • 電話設備の保守契約
  • 光回線やコラボ光の契約期間(移行先の回線を先に契約している場合、その解約条件も)
  • 他社の通話サービス、通話料割引サービス

特にリースは、電話回線を解約しても契約は残ります。主装置を使わなくなっても、満了までリース料は払い続けることになります。

④固定電話の回線に何が使われているかを確認

固定電話の回線は電話以外にも使われています。解約前に、次のものが加入電話やISDN回線を使っていないか、一つずつ確認してください。

  • FAX(複合機のFAX機能を含む)
  • 警備会社の通報端末
  • クレジットカード決済端末(CAT端末)
  • EDI、POSなどのデータ通信
  • エレベーターの非常通報装置
  • ガス・水道などの遠隔検針装置
  • 火災報知設備の自動通報

NTTから来る請求書で、何にISDN回線やメタル回線が使われているか、確認をしておき、解約時に使用できなくなることがないようにしましょう。

3.移行する際の代替手段

固定電話をやめた後の受け皿は、大きく5つあります。まず全体を表にまとめます。

手段番号の引き継ぎネット契約向いている会社
①光回線電話不要今までどおり使いたい
②ワイヤレス固定電話不要光回線を引けない場所で今まで通り使いたい
③光電話必要ネットと電話をまとめたい
④クラウドPBX事業者による必要拠点・外出先で会社番号を使いたい
⑤法人携帯×(番号を捨てる)必要固定番号が不要な小規模事業者

以上5つのそれぞれについて、詳しく説明していきます。

①光回線電話

光回線電話は、光ファイバーを使った固定電話で、インターネット契約は不要の電話です。電話機をつなぎ替えるだけで今までどおり使えます。提供エリアは原則フレッツ光と同じです。

月額は、事務用で3級局2,750円、1・2級局2,640円。これは加入電話の値上げ前の金額と同じで、値上げ後の加入電話より月330円安くなります。加入電話やINSネットからの移行なら契約料は不要、同じ設置場所での移行なら工事費も無償になります。

向く会社: 電話は今までどおり使えればよく、機能を増やす気はない。回線数が少ない。インターネット回線は別に契約済みで、電話と束ねる必要がない。

向かない会社: 複数拠点で内線をつなぎたい、外出先で会社番号を使いたいなど、電話の使い方を変えたい会社。

②ワイヤレス固定電話

携帯電話の電波を使った固定電話です。NTTが用意した専用のターミナルアダプター(利用料不要)に電話機をつないで使います。NTTは「光回線電話の提供が困難なケース等」に案内するとしており、自分で選ぶというより、光ファイバーが引けない場所の受け皿という位置づけです。電波が弱い場合はリピータ(これも利用料不要)を室内に置くことがあります。

料金体系は光回線電話と同じで、事務用3級局2,750円、1・2級局2,640円。移行時の契約料・工事費の扱いも同じです。通話料はひかり電話と同様です。

向く会社: 光回線が引けない、または引くのに時間がかかる場所で、固定番号を維持したい会社。

向かない会社: 光回線が引ける場所(その場合は光回線電話が案内されます)。また、携帯電波に依存するので、建物の奥や地下など電波の弱い場所では品質の確認が要ります。

③光電話(ひかり電話・他社の光電話)

光回線のインターネット契約に付ける電話サービスです。NTTのフレッツ光・コラボ光なら「ひかり電話」、auひかりやケーブルテレビ各社などならそれぞれの光電話があります。

NTTの光電話サービス「ひかり電話」の場合、月額はフレッツ光の料金に加えて550円から。通話料は固定電話宛て8.8円/3分で、全国一律です。既存の番号は同番移行できますが、一部移行できない場合もありますので、申し込み前に確認しておきましょう。

他社の光電話も、双方向番号ポータビリティが始まったので、NTTの番号を持ち込めますし、その後また別の事業者へ移ることもできます。

向く会社: インターネット回線を新しく引く、または既に光回線を使っている会社。回線と電話をひとつの契約にまとめてお得に契約できます。

向かない会社: 光回線を引けない場所の会社、電話以外の機能は必要ない会社は光回線電話の方がお得です。

④クラウドPBX

電話交換機(PBX)をクラウド上に置き、スマホやPCのアプリ、IP電話機で会社番号の発着信をするサービスです。主装置を事務所に置かないので、リースや保守契約がなくなり、拠点をまたいだ内線や、外出先での会社番号の発着信ができます。

料金は数千円からで、各社サービスにより異なります。契約前に確認すべきことが2つあります。ひとつは、今の03や06の番号をそのまま使えるかどうか。事業者やプランによって、既存番号をそのまま引き継げるもの、050番号になるもの、別途光電話の回線が必要になるものがあり、ここは事業者ごとに違います。もうひとつは、最低利用期間と違約金。クラウドPBXは月額制で気軽に見えますが、契約期間の縛りがある事業者も少なくありません。

向く会社: 複数拠点がある、外回りや在宅の社員が会社番号で電話をする、ビジネスフォンのリースが満了した、電話の台数が増減しやすい。

向かない会社: 電話は事務所の固定電話機で受けるだけでよく、社員が外で会社番号を使う場面がない会社。この場合、機能が余ります。インターネット回線が不安定な事務所も向きません(通話品質が回線に依存します)。

⑤法人携帯

固定電話番号を捨てて、会社の連絡先を法人契約の携帯電話にしてしまう選択肢です。小規模な会社や、取引先とのやり取りがほぼメールとチャットに移っている会社なら、現実的です。

向く会社: 従業員が数名、代表電話にかかってくる電話がほとんどない、名刺やWebの番号を変えても支障がない。

向かない会社: 固定電話番号があることが取引の信用に関わる業種・通信品質を重視する会社。

まとめ

今回は固定電話解約時の注意点や移行手段について解説しました。移行サービスを選ぶ際には自社に合う機能・適切な料金のものを選ぶように心がけましょう。

より多くの方に役立てる記事を発信して参りますので、ぜひ拡散いただけると幸いです。
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この記事を書いた人

IT・通信業界の会社で、編集者の仕事をしています。
より多くの企業様に、後悔のしない、満足のいくサービス・情報を届けられるように執筆を心がけております。

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